友香合コン

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 もし、友香が小野のことを気にしているなら、伊豆の旅行へ行ってほしい。  でも別に小野のことを何とも思っていないのなら、小野の心を乱すようなことは避けてもらいたい。  小野の前に姿を現すなという。  中途半端な友達ということはあり得ない、許さないということなのだ。  Yes? No?  小野のことを考えていた。  ふとした拍子に、あの穏やかな顔を思い出すこともあった。  それは小野のことが好きだということ、そうなんだろう。  これから、どうなるかはわからないが、小野とつきあいたい、そう思った。  釣りのミーティングのテーブルの方へ向かっていった。  たぶん、友香は挑むような表情でいたと思う。  まず、西宮が友香に気づいた。小野も顔をあげる。 「あの、すみません。伊豆の旅行に、一緒に連れて行ってください。お願いします」  そう言ってぺこりと頭を下げた。 「あ、やった。よかった」  薫が嬉しそうな声を出した。 「座って」  薫が一つ椅子をずれた。 「いや、あっちだ。あっちへ座れ」  西宮が指さしたのは、小野の隣の椅子だった。  小野が友香を嬉しそうな笑顔で見ていた。  胸がキュンとなる。  すごくうれしかった。  ここにいるだけで、心が温かくなった。 「釣りに興味はあるの?」 「ごめんね。ないの。今回は薫が誘うから、二人で観光をするつもりです」  恐縮する。  しかし、小野は全くきにしていないようだ。
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