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「ごめんなさい。ずっと探してたんだけど、どうしても見つからなくて。でも、家の中だっていうのは断言できるの。……許してくれる?」
「許すも許さないも……え、じゃあ、だから俺の家に来たがらなかったってこと?」
「うん。合鍵を試してみろって言われたら困るから。今日だって家で待っててって言われても入れないし。ずっと嘘ついててごめんなさい! ハルに嫌われるのが怖くてどうしても言えなかったの」
「バカだな。嫌うわけないだろ? ったく、どんだけ俺が苦しんだと思ってるんだ? もうヒナに心変わりされたと思って。どうすればヒナの心を取り戻せるのかわからなくて」
「ごめんなさい。ハルを傷つけることになるなんて思わなかった」
「いいよ、もう。ヒナが俺のものでいてくれるなら」
やっぱりハルは優しくて、そっと甘いキスをしてくれた。
ここが自分の会社の真ん前だとすっかり忘れていた私は、翌日みんなに冷やかされて大変だったんだけど。
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