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ポイント制度導入からおよそ3ヵ月後には、なんとなく医師全体のモチベーションが上がったように藍膳教授は感じていた。 これだ。 これこそが、我が禍尾栖大学附属病院の医師たちに私が求めていたものなのだ。 流れ作業的な外来診療。 横柄な医者の態度。 「長年の勘」に頼る医者。 どれもあってはならないことなのだ。我々医者とは、病気の早期発見、早期治療は基本中の基本であり、患者をさまざまな視点から捉え、患者一人ひとりにあった「cure」を提供する、それはひとりの人間の人生をも左右する責任重大な職務であるのだ。 「医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、パナケイア、及び全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う」 医師よ、ヒポクラテスの誓いを忘れたか! ……いや、待てよ。「ソクラテスの誓い」だったか?
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