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教授椅子の背もたれを自身の体重でキシキシ揺らしながら、藍膳はひどく難しい表情を浮かべて黙り込んでいた。
ポイント制の何が不満だというのか。なぜ大文字はこの制度に従わないのか。アリストファネスの誓いを思い出し、初心に還る最高の制度だというのに。
キィ、キィ、と椅子が軋む小さな音だけが、静まり返った教授室の時を刻んでいる。皆方はじっと教授の言葉を待つ。“ポイント制度に参加しないのであればクビだ”──最悪のケースを想定して精神的ショックを最低限にとどめようと、様々な「最悪のケース」をシミュレーションすることにだけ没頭する。
キィ、キィ、キィ───。
音が止まった。
いよいよ判決を言い渡される時がきた。皆方はごくりと唾を飲み込んだ。
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