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「皆方くん。ここへ大文字くんを呼んでくれ。時間はいつでもいいからと」 「は……はい……」 どういうことだろう。大文字に退職届を出すよう直接ここで言うつもりなのだろうか。 「はは、きみが心配するには及ばないよ」 皆方のあまりに不安そうな顔に、藍膳は笑みを漏らした。 「大文字くんの考えていることは大文字くんに聞かないと、他人が易々と推測できるような思考回路を彼は持っていないからな」 「はぁ……」 確かに教授の言う通りである。大文字が何と答えようと、そしてその結果がどうなろうと、それは大文字自身の意思である。自分がとやかく口を出す筋合いはない。 皆方は教授に深々と頭を下げると、大文字とコンタクトを取るために教授室を後にした。 ◇◇◇
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