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古東は、そのアーモンドのような目をぱちくりさせた。
そんな空想科学など考えたことがない、というより、何か珍しい症例について考えているのかと思ったら、タイムスリップについて考えていたのですか、そうですか。
異様な沈黙が訪れた。古東は予想外の質問に言葉を失い、大文字はそんな古東から解答を得ようとじっと古東を見つめている。事情を知らない者がこの状況に遭遇したら、まるで大文字が古東に愛の告白でもしたのではないかと勘違いしそうである。
「ふたりとも……どうしたの?」
大文字を探していた皆方が、運悪くこの場に遭遇してしまった。皆方の声に古東はタイムスリップの世界から無事帰還し、ほっとため息をついた。
「皆方先生! いつからここに?」
「いや……ついさっきだけど……」
「古東先生、私はまだきみの答えを聞いていないのだが」
(ま、まだその話を続けるのか!)
(一体何の話をしているんだろう、俺は聞かないほうがいいのかな)
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