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「あぁ?」 「うるさいうるさいうるさいっ!!魔物に何がわかる!!産まれた時から有能な王になると期待され、それに答えるために努力してきた私の何がわかるっ!!わからない癖に口を出すなっ!!私がっ、人生をかけて造り上げて来たこの国を壊すなっ!!魔物が人間の邪魔をするなっ!!力しか持たない魔物の癖にっ!!私の邪魔をするなぁ!!」 「………わからないから、良いんだろう?」 自分だけで苦しみを抱えて来たこいつを、可哀想に思った。 仲間、家族、友情。 確かに口にしてみると吐き気がする。 だけど、実際はそんなに悪いもんじゃないんだ。 「なに、言ってるんだ…」 「お前は、相手の事が全てわかる能力があって楽しいと思うか?相手が自分を憎んでいるのがわかる。そんなの嫌だろう?」 何で私の気持ちがわかるの? ─────気持ち悪い。 そう言われた奴を見た事がある。 「きっと生き物って言うのは、相手の気持ちがわからないから、ここまで生きて来たんだ。お前も、苦しいのなら言えば良い。きっとお前を理解してくれる奴がいる。」 「そ、んな………」 「相手を見下すんじゃない。理解しようと努力するんだ。お前を理解しようとしている奴は必ずいる。」 「じゃあ……私はっ…私はお前を最初に理解したいっ……!」 「別に構わん。まぁ俺は理解しようとは思わないがな。」 「そんなっ……!?」 「さっき魔王を馬鹿にした報いだ。」 「……意外と根にもつタイプなんだな。」 簡単に生きていけたら、つまらないだろう? 「まぁ、一応一件落着、かなぁ~?」 「勇者くん、そしてグラスノーレ、ありがとう。」 「…………勇者、寝てる」 人間は、皆同じに見えてちぐはぐだ。 だからこそ、面白い。
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