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「何で俺んとこだけ来ないんだよ。寒がりなの?あ?悪かったな北で。」
俺の所にだけ勇者が来ない。
既に東、西、南からはそれぞれ連絡が来ている。
『くそっ、負けちまった…!お前、俺の分も頑張ってくれ!』
『あぁ…負けちゃったぁ~……北の魔王サマ、頑張ってねぇ~』
『………頑張れ』
「ったく、アイツらわざと負けてんじゃねぇのか…?めんどくさい勇者押し付けやがって……」
北の魔王にとって、勇者は面倒な物でしかなかった。
なんせ、今まで来た勇者たちは北の魔王を見た瞬間…
『下僕にして下さい!!』
『私を罵って!!』
『ちょ、ちょっと踏んで貰っても良いですか』
『嫁に貰って下さい』
という奴らばかりだったのである
「あー……暇だ。」
と、その時、外から魔物の悲鳴が聞こえた。
「失礼しますっ!!魔王様、勇者が現れました!」
「ワァーウレシイナァー」
「……どのように対処すれば良いでしょうか。」
「勇者は何て言ってるんだ?」
「はっ!只今聞いて参りま……」
「魔王さん出て来て俺と戦って下さい!!俺、英雄になって大儲けしてウハウハな生活がしたいんっす!」
魔王は思った。あ、こいつクズだ。と
「魔王様、どう致しますか。」
「……とりあえず、広間に誘導しろ。それから決める。」
「……畏まりました。」
とりあえず、今までみたいな勇者で無いことを願う魔王と部下だった。
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