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「…………」
「魔王様、紅茶を持って…………あら、寝てらっしゃるんですか。」
「…………」
「………何で、あなたはそうやって…」
温かいものが頭を触っている。
心地よい────
「無意識に人を惹き付けてしまうんでしょうね。」
「…………ん……」
「………誰にも渡しません。渡せませんよ、こんな可愛い人。」
「……………」
「駄目ですよ?いつもあんなに怖い魔王様が、こんな可愛い顔して寝てるなんて知られたら。」
「…………ん……ゃ……」
「え?どうしたんですか?」
「………ゆ…………しゃ……」
「は…………?」
「…………ふふっ……」
ガクガクガクガク
「っ!?」
「魔王様なんで寝言で勇者なんて言ってるんですか勇者ってもしやあのパシリの事ですかそれとも他に想い人がいるんですか今すぐ教えなさい何で勇者と言ったあとに凄く可愛らしい押し倒したくなる顔で微笑んでるんですか押し倒しますよもしかして勇者の夢を見て嬉しくて微笑んだんですかあり得ないでしょうあの残念イケメンがそんなに良いですか私よりアホそうで毎回語尾が~っすのアイツの方が良いんですか何でですか私はこんなに貴方に尽くしているというのに貴方は私よりあのマヌケの方が良いんですか貴方のためならアイツだって倒してみせます第一あれは敵なんですよ何でそんな奴の事を好きになるんですかっ!!」
「…………は?」
「何をとぼけてるんです!?」
「俺は、勇者を最後の最後までいたぶって、もう許して下さいって言った所で笑って殴る夢を見ただけなんだが?」
「……え、良かったぁ…てっきり魔王様がパシリの事好きなのかと。」
「……………好、き……?俺が、勇者を………?」
「えぇ。でも安心しました…って魔王様、どうしてそんなに………
怒った顔をしているんですか?」
「…………氏ね。」
デジールの氷漬けの完成です!
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