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「………っく!」
さすがに、人数が多すぎる。
「きゃっ!服がはだけて格好良い~!」
うるさい。
だけどこのままだと負ける。
というか飼われる。
絶対に、嫌です。
私は、魔王様の元を離れる訳にはいかないんです!!
「あれぇ?泥棒さん考え事?」
っち……
スレスレで避けた。
「ふんっ、仲間がいないと私を倒す事が出来ないのですか?」
私は、賭けに出た。
今のセリフで彼が挑発されていれば良いんですが。
「なんっ…だって!?僕が貴様なんかに負ける訳無いだろっ!?おい、お前等下がってて。こいつは……僕が片付ける!!」
私の勝ち、ですかね。
「なんて、言うとでも思った?」
「…………っは?」
嘘、でしょう?
「書庫係はね、感情もプライドも要らないんだよ。必要なのは………命に代えてでも重要書類の機密を守るという決意だけなんだから。」
…………可哀想だと思った。
感情を知らず、誇りなんて捨てて、国の為に命を捨てる。
しかし、私の負けは確定した。
「さぁ、お前等、行くよ。こいつを、情報泥棒を、捻り潰す。」
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