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「あ、魔王さん。起きてたんっすね。」
何だ、驚かないのか。
弁解をしないのか。
お前にとって俺はその程度なのか─────
「貴様、俺の部屋で何をしていた。」
こいつは敵だ。
ブリュレを、エクレールを、カルムスゥを、デジールを…………………
そしてこの私を騙した、敵。
何故だか、さっきから胸が痛い。
何か、どす黒い感情が渦巻いて、私の胸を傷付けている。
「勇者…………殺すなら殺せ。」
私を殺そうとしたら、殺す。
勇者の名は知らんが、最後くらい名前で呼んでやりたかった。
「さぁ、勇者よ。どうする。」
自分の主人である帝国を取るか
この私を取るか…………
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