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「つ、捕まえろ!」 誰かのその一言で記者たちは男をあっさり捕まえた。 男は抵抗する素振りも見せず、ただずっと笑っていた。 「芽濃さん!しっかりしてください!今救急車が来ますから!」 狩屋さんに身体を支えられている芽濃さんに研究室の皆で声をかけた。 ゆっくりと、静かな呼吸を繰り返す芽濃さんはなぜか笑っていた。 「・・・芽濃さん?」 「・・・も、もう駄目だわ、私。・・・死んだあの子に、会いに行ってくるよ・・・。」 彼女はもう、死を覚悟している。 「そんな事言わないでください!俺達と一緒にリバースを終わらせましょうよ!」 「ふふっ・・・。あとは任せたわよ、みんな・・・。このふざけた世界を、・・・終わらせて!私達のなくした未来を、取り戻して・・・!」 最期は涙を流し強い眼差しで俺の目を見た後、微笑んで息を引き取った。 「芽濃さん!!」 なぜ彼女が死ななくてはならなかったのだろう。 俺たちは未来を取り戻したかっただけなのに。 それは間違ったことなのだろうか。 この日、呆然と家に帰った。
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