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今日もまたいつもと同じ時間に目覚めた。
午後7時。
真っ暗闇の中目を覚まし出掛ける。
5年もこの生活が続いている。
みんな慣れて不便を感じるような人はいないだろう。
むしろ身体が若返っていく。
それを喜んでいる人のほうが、むしろ多いんじゃないのか?
頭を悩ませながら歩いていたらいつの間にか研究所まで着いていた。
「・・・おはようございます。」
予想通り研究員たちは意気消沈しており、来てない者までいた。
「どーしたみんな、湿気た面して。」
狩屋さんだ。
至って普通、いつも通りの。
「だって昨日の今日ですよ?普通じゃいられませんよ。」
「あっそ。俺たちはただリバースの事だけ考えてりゃいんだよ。」
わからなかった。
狩屋さんという人が。
普段は冷静でいられる自身がある俺だったが、この時は我慢できず思わず胸ぐらを掴んだ。
「芽濃さんはあんたを庇って死んだんでしょう!」
「・・・。」
彼の目は冷たく吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥った。
「・・・。すいません、今日は帰ります。」
まだ外が明るくなる前に俺は研究所を後にした。
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