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ある日世界は一変した。
ある大事なものを失くしてしまったから。
ジリリリ・・・
目覚ましの音が聞こえる。
「もう7時か。」
布団から体を起こしリビングへ行くと母が朝ごはんを用意していた。
「おはよう行平。冷めないうちに食べてしまいなさい。」
欠伸をしながら返事を返して椅子に座る。
俺ももう17歳。
本来なら胸を膨らませまだ見ぬ未来に思いを馳せているのだろう。
でもこの世界では違う。
出勤の準備を済ませ玄関を開けた。
「いってきます。」
「はーい、気をつけるのよ。」
俺達が現在朝と呼んでいるこの時間は、真っ暗で月の光が街を照らしている。
かつて世界が夜と呼んでいた時間だ。
この世界は今、時間が巻き戻っている。
最初は誰も何が起こったのかわからなかった。
段々と若返る自分の姿にわけも分からず喜んだ人もいた。
今でも原因はわかっていないが15年前に起こったこの現象は今では当たり前のことになっている。
そしてこの現象は皆こう呼んでいる。
”リバース”と。
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