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俺は現在17歳。
だがそれは15年前に時間が巻き戻ってからの年齢。
本来ならば今年で47歳を迎えるはずだったのだ。
身体に衰えを感じ、見た目も老け始めて仕事を次の世代に任せるような位置にいたのだろう。
だが狂ったこの世界ではどんどん若返る。
俺が現在勤めているのは、"リバース研究所"。
リバースという現象の解明と解消を目指し日々研究をしている。
歳を取る喜びを取り戻す為、今日も研究室に足を踏み入れた。
「おっはよーう!行平くん!17歳の誕生日おめでとう!」
背中を思いっきり叩かれて思わず今朝食べた物が出てきそうになった。
「何もおめでたくないですよ。おはようございます芽濃さん。」
「そんなしけたツラするなよ、少年!若返りなんて人類の夢だったろう?」
「はぁ...。」
この人は俺の上司の芽濃さん。
現在20歳、実年齢は50歳。
若さに喜びを感じ、大きな胸をいつもひけらかしている。
「おばさんなんですから、胸を隠してください。」
「おばっ!?ピッチピチのこの身体を見ても言えるのそんなこと!?」
「所詮"リバース"によって作られた虚像の姿ですから。」
リバースでは精神年齢まで若返ることは無いのだが、この人は別だ。
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