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カタカタカタカタカタカタカタカタ…
凄い…。
東京ドームくらいの空間の中に隙間なくビッシリとひしめき合っている骸骨が顎をカタカタ鳴らしている。
生々しい骨の身体をピョンピョンさせながら物凄いお祭り騒ぎ状態。
まるで何かに湧いている様に…。
…と言うより俺を見てる?
うん。
確実に俺を見ている。
いや、目が無いから分からんけどね。
しかしながら彼等は俺を中心とするように立っているのだからそう考えてしまうのも無理はない。
とにかく何故骸骨達が歓喜に湧きながら俺を見ているのか、と言うことであるのだか。
もちろんさっぱり分からない。
せめて骸骨達が何を言っているのかだけでも分かると良いんだけど。
『Skill『不死の言霊』を獲得しました。』
またお前か。
すると─
おお聞こえる聞こえる。
さっきまでカタカタとしか聞こえなかった骸骨達の言葉が口々に頭の中に日本語として入ってくる。
「おお─!お目覚めになったぞ!」
「何と凛々しいお姿!まさに王霊の名にふさわしい!」
「我等が王よ!王よ!」
「何だか驚いておられるぞ?」
「早く生気を差し上げろ!」
「アンデット万歳!アンデット万歳!」
「キング!キング!キング!キング!」
「何て艶かしいお身体…!」
「王よ!何かお言葉を─!」
「────────!」
「────!」
「───!」
「─!」
ああああああああああ。
頭がああああああああ。
物凄い量の情報が頭の中をこじ開けるように入ってくる。
彼等の言葉を理解できると言うことは、すなわちここにいる骸骨達の言葉をすべて理解しようとしている。ということなのだろう。
あまりの痛さに頭を押さえながら無様にのたうち回る。
「おお─!苦しんでおられるぞ!一体どうしたと言うのだ!」
「王よ!どうされたのです!」
「誰か!生気を差し上げろ!今すぐに!」
「ああ、キング!キング!キング!」
「大変だ!早く何とかしないと!」
「血が足りていらっしゃらないのか…!?」
違う!そうじゃない!
…ん?
待てよ?
こうなってしまったということは…。
骸骨達の言葉が分かるんならもしかして…。
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