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「頼むから静かにしてくれ!頭がパンクしそうなんだよ!」
叫ぶように言った。
結果としては思った通りになった。
カタカタとうるさかった空間が、さっきまでが嘘のようにシーンと静まり返っている。
最初っからこうすれば良かった…。
すると、タイミングを見計らったように一人の骸骨が頭を下げながら話しかけてきた。
「王よ。お初にお目にかかります。ご気分はいかがでございましょうか?」
「王…?…俺?」
「はい。あなた様こそ我等が誇り高き不死の王であらせられる、『レイス』として降臨なされたのでございます。」
相変わらずカタカタと顎をならしながら骸骨が興奮ぎみにそう言う。
「いやいや。ちょっと待ってよ。急にそんなこと言われても訳分かんないし。不死の王?降臨?」
「無理もありませんな。あなた様はまだ降臨されて間もない。レイスとしての自覚をお持ちになるのも、もう少し時間が必要になるかと思われます。」
つまりはこうか。
俺はこの骸骨達の王として今ここに誕生したばかりであると。
レイスってのは確かアンデット上位種の死霊じゃなかったか?
と言うことは…。
「やっぱり…。」
何だが自分の身体がフワフワすると思ったのはこのせいか…。
手が透けている。
と言うより身体全体の色素が薄いんですけど…。
「王よ!我等は一丸となってあなた様をお支えいたしますぞ!さあ何なりとご命令下さい!」
そんなこと言ったってねえ…。
いきなりお前は王様だ!なんて言われて命令くれって言われてもどうすりゃ良いのか分かるはずもない訳で。
でも骸骨達は微動だにせずに俺の言葉を待っている。
支配される喜びとでも言うのだろうか。
俺にはさっぱり分からんが。
とにかく命令するにも何をするにも、今はあまりにも情報が少なすぎる。
分かっていることと言えば、俺がこの骸骨達の王様になってしまったと言うことだけだ。
と言う訳でさっきの骸骨に色々聞いてみることにした。
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