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まず最大の情報と結論から述べるとしよう。
結果から言うに、ここはどうやら俺のいた世界とは違った世界…
すなわち異世界である。
なるほど。
ここが異世界であるとするならばアビリティにあった『前世の記憶』と言うのも何となく理解できる。
つまり俺は日本で一度死んで?から再び異世界に生まれ変わってしまったと言うことになる。
しかし日本にいた頃の記憶はしっかりとそのまま残っているわけだが、死んでしまった記憶は無い。
故になぜこんな状況に陥っているのかと言う疑問は解決に至らなかった。
なんせ全く心当たりが無いわけだから。
そしてこの世界のことであるが。
この世界の確たる名前は存在しないんだとか。
前世であれば『地球』と言う確たる名前があった訳だが、この世界にはそう言った世界全体を現す様な名前がまだ存在していないらしい。
そう聞くだけでも文明の程度としては前世と比べてかなり遅れていると思われる。
しかしこの世界でも大陸や国といった概念はちゃんと存在するようで、一番大きな大陸を中心に東西に大陸が列なる様に存在しているんだとか。
ちなみに現在俺がいる場所は一番大きな大陸であり、名前は一般的にアドラス大陸と呼ばれ、魔物から人まで様々な種族が多種多様な文化を営んでいるという。
「そして俺はそんな世界の中で人間ではなくて…アンデット族になってしまったという訳か…。」
「その通りでございます。このアドラスの中でも我等アンデット、もとい不死の種族は神族を除いて最上位に位置する存在。その王たる身であらせられるあなた様は、数多と存在する種族の王の中でも極めて強力な存在であることは間違いございません。」
「アンデットってそんなに強力な種族だったのね…。」
まあ既に死んでるんだもんな。
生きてるやつと種族として比較すること自体がそもそも何か間違ってる気がする。
というか死んだ俺達の存在意義って何なんだ?
つまりは成仏出来ずに未練がましくこの世に縛られてるって訳だろ?
そう考えるとそもそも俺はこの世界で死んだ覚えは無いわけだから、この世界に未練があるなんてこともない。
死霊となるんだったら前世の日本でなってしまう事の方がよっぽど合理的だと思うのだが。
そんな事を考えていると突然どこかの骸骨が大声で叫んだ。
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