空っぽだったあの日

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「でさ~ありえなくない? 他に好きな人が出来た!とかさ、じゃああのプロポーズはなんだったのよ! って感じなわけよ!」 ちょっとアルコールが入って気の強くなった私は、電話で親友に気持ちをぶちまけ続けた。 「クソ課長もさ、毎回毎回自分のミスを私のせいにして、怒鳴ってさ。 で、いざ辞める!ったら淡々と事務的になってさ! ちょっとは罪悪感を感じろってのよ!」 昔から付き合いある友達な事もあって、良く言えば気兼ねなく、悪く言えばやりたい放題。 それでも、ずっと聞き役に徹してくれる親友。 私の唯一の理解者。 「まぁね。色々あるだろうけどさ。 あんたも少しは反省しなよ? 仕事のミスはあんただけじゃないかもだけど、気付けてたら防げたわけだし、 彼の事は、プロポーズから一ヶ月も放置したあんたにも否があるよ? いくらなんでも一ヶ月は長いって」 聞くだけでなく、説教もしてくれる親友。 すごく有り難い存在なのに、私は、自分が否定されたように思えて、またやってしまった。 「もう、なによ!じゃあいいよ!知んない!」 愚痴を聞いてもらっていたにも関わらず、電話を一方的に切った私。 ーー私は親友すら失った。 仕事に、 恋人に、 親友。 一日に全てなくした。
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