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その薬は錠剤になっており、色は白っぽいブルーだ。
「MDMAよ………………」
互いに、ニヤリと笑う2人。
千秋が1錠ずつ、グラスの中にポトリと落とした。
紺色の液体の中で、煙りの様に薬剤が拡がる。
そして、2人同時に飲み干してしまう。
もう、味はどうでも良いのだ。
MDMAは、若干の興奮作用がある。
心臓がドキドキしてくると、全身が敏感な反応を示す。
それは美佳も同じだろう、上気した顔で上着ポケットから
小さなビニール袋を取り出す。
その中には、白い粉が3分の1程入っている。
テーブルの上に、そっと出す美佳。
「先生、こっちの方が効くよ」
その瞬間千秋が大きく、瞳を見開いた。
「どうしたのこれ? 覚醒剤じゃ!」
千秋の問いに、悪戯っぽく笑うと。
「今学校で流行ってるの、みんなやってるよ」
背中がゾクッとしたのだが、MDMAが効いてきたのか
麻薬という言葉にも興奮を覚えた。
「どうすればいい?」
「先生、初めて?」
千秋の返事に以外性を感じたものの、袋を破り空のグラスに
白い粉を入れ、微量のワインと混ぜた。
そして美佳が、細く小さな注射器を取り出す。
中に微量の覚醒剤を取り込み、左腕に注入する。
今度は、それを千秋に渡す。
受け取った千秋が、震えながらも針を刺す。
いつの間にか、美佳の口元から涎が垂れている。
興奮作用だろうか、それを観た千秋が突然席を立ち、
美佳の傍に寄ると美佳の口にキスをした。
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