カフェ店員と愛、育みました

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瑛太くんは私の言葉を待ってくれる。だけど帰らないでほしいだなんて恥ずかしくて口にできない。過去の私はそんな女じゃなかった。子供っぽく甘えたりはしない。それを今更瑛太くんに見せたくないし、3年もたったのに成長もせず退化しているなんて思われたくない。 すると瑛太くんは私に近づいてぎゅっと抱き締めてくれる。 「朱里さんと別れるの寂しい」 私が言えなかった言葉を口にしてくれたから気が緩んで「私も。寂しい」と素直に気持ちを吐き出す。 「でも今夜は帰るね」 まるで私の気持ちを察しているかのような返しに瑛太くんの胸に顔を押し付ける。この間もそうだった。もう私に甘えるだけの恋人じゃない。これではどっちが年下か分からない。余裕がないのはどっちなのか。 「クリスマスの次の日、買い物の後俺の家に来ない?」 「え?」 顔を上げると暗くても瑛太くんは照れて耳まで赤いのが見える。 「新しい部屋で朱里さんをもてなしたい。遅いクリスマスしよ」 思いがけないお誘いに私の顔も赤くなる。 「うん……行く……」 小さく呟くと笑顔になった瑛太くんは私の額にキスをする。 「お邪魔するだけじゃ悪いから、クリスマスプレゼント何がいい?」 「そんなのいらないよ。朱里さんに会えるだけで十分」 「でもおもてなししてくれるのに申し訳ないし」 「じゃあその代わり、お泊りしてほしい」 「えっ……何?」 はっきり聞き取れたのに、言葉を飲み込めなくてもう一度聞き返してしまう。 「その日は俺の家に泊まってください。ただご飯食べるだけじゃ帰さないからそのつもりで来て」 耳元で低い声で言われたからゾクゾクして瑛太くんの服を握ってしまう。 こういう誘い方まで変わっていなくて恥ずかしくて体中が熱くなる。私の頬に触れた瑛太くんの手はひんやりしていて気持ちいい。
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