カフェ店員と愛、育みました

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仕事以外で男性の車に乗ったのは初めてで緊張しているのだけど、瑛太くんの運転は丁寧で乗り心地がいい。 「日頃から乗ってるの?」 「休みの日はね。こういう時のために練習も兼ねて」 私をどこかに連れて行ってくれるため、なんて思い上がりかもしれないけれどずっと私のことを考えていてくれたのは嬉しい。私だって瑛太くんを忘れられなかった。でももし今の私に新しい恋人がいたり瑛太くんの連絡を無視するようになっていたらどうしていたのだろうか。だって「待たなくてもいい」と言ったのだから。 「ねえ瑛太くん……」 信号待ちで停車したタイミングで口を開くけれど、スマートフォンの着信音で遮られる。ダッシュボードに設置されたスマートフォンの画面には女性の名前が表示されて一瞬ドキリとする。 「ごめん、店長からだ」 「今日お休みなのに電話があるんだね」 「うーん……まあまだ店も安定してないからね。あとで折り返すよ」 「どこかで止まって電話してもいいよ?」 「今はプライベートだから大丈夫。俺がいなくても何とかなるでしょ」 瑛太くんが私との時間を優先してくれることが嬉しい。 車はショッピングモールの駐車場に入っていく。ここは以前お揃いの指輪を買いに来たところだ。車から降りると瑛太くんは自然と私の手を握る。驚く隙もなく自然と手を引いていく。 「今日指輪してきてくれたんだね」 瑛太くんの指が指輪を撫でる。 「うん。私も毎日つけるね」 「嬉しい。サイズ変わってない?」 「今もぴったり」 「他の指にも入ったりする?」 右手の薬指から指輪を外すと左右の他の指に器用に嵌めていく。 「人差し指には入るだろうけど、他の指は無理だよ」
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