カフェ店員と愛、育みました

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なぜか指のサイズを気にする瑛太くんは左手の薬指に嵌めると「うん、ここもぴったりだ」と呟く。お揃いのこの指輪を左手に嵌めるのは意味が違ってくるから照れてしまい私は慌てて右手に嵌め直す。 「もう行こうよ……」 駐車場で立ち止まってやることではない。今度は自分から瑛太くんの手を握ってショッピングモールの建物の中に入っていく。 「プレゼントは何あげるの?」 「山本のは候補があるんだけど、武藤くんのはまだ決めてないんだ。実際見てみないと」 「武藤さん?」 「そうなの。山本と、武藤くんって同期も結婚が決まったんだ。そっちはもう少し先だけど、今のうちに決めとこうと思って」 同期が二人とも私より先に結婚が決まってしまった。二人の式には同じドレスは着られないから新しく買わないと。そっちも見てみようかな。 「武藤さんってさ……」 気まずそうにするから「そう、瑛太くんが私と浮気してるって疑った武藤くんだよ」と意地悪く囁く。 「最初から最後まで同期以上の関係にはならずに、別の人と結婚するの。でもお相手は同じ会社の子なんだけどね」 「もうその話はいいです……ごめんなさい」 本当に反省してそうだから私も過去のケンカの原因を面白おかしく持ち出したことを謝る。 「朱里さんがプレゼント選んでる間に、俺店に電話してきていい?」 「うん」 瑛太くんは私から見えない距離まで行ってしまう。休みなのに仕事の電話なんて本当に新規オープンの店は大変だな。 山本と武藤くんのプレゼントを選んだけれど、この後の予定を考えると持ち歩きたくないので自宅まで郵送してもらうことにする。
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