カフェ店員と愛、育みました

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前とは正反対だ。瑛太くんの子供のような嫉妬に困っていたのに、今嫉妬で苦しんでいるのは私。 車の中で口数が少なくなってしまったのに気づいたのか「ごめんね」と謝る。 「なんで謝るの?」 「俺の仕事を優先してるから」 「そうでもないよ」 「怒ってる?」 「怒ってないよ」 何だか妙な空気になってしまい、こんなドライブにしたかったわけじゃないからと私は本音を伝えることにした。 「少しね……ほんの少し、店長さんに嫉妬しただけ……」 小さく言うと瑛太くんが笑う。 「笑わないでよ……自分でも呆れてるんだから……」 「朱里さんが嫉妬してくれるとか、最高」 「もう最低……」 3年たっても大人になるどころか学生の頃の瑛太くんよりも思考が子供。 「俺は朱里さんしか眼中にないのになー」 からかうような言い方に顔が火照るから顔を逸らすと、瑛太くんの片手が私の手を握ってくる。 「変わらないね」 「え?」 「朱里さんは変わらない」 「そうかな? 多分瑛太くんの記憶よりも自分勝手になったよ」 「全然。しっかりしてるのに、時々可愛くなる」 可愛いだなんて、年下の子に言われるなんて恥ずかしくなるじゃないか。 「朱里さんは可愛いよ。だから、そんな姿は俺にしか見せないでね」 ぎゅっと手を握ってくるから私は「うん。瑛太くんにしか見せない」と呟いた。 瑛太くんの部屋は一人暮らしにしては広くて家具や家電が統一感のあるシンプルでオシャレな部屋だ。アパートの時とは違う持ち物や家具に時間の流れを感じる。 リビングの隣の部屋の扉は開けられたままで、奥にベッドが見える。一人暮らしにしては大きめのサイズに緊張してくる。
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