カフェ店員と恋、夢中になりました

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ホットミルクに茶葉を浸したものではなく業者から仕入れた特別な紅茶の粉末を使い、店のダージリンと合わせて配合している。 「瑛太くんは私の好みを何で分かるの?」 「何となく分かっちゃうんです。たまに飲むコーヒーもカフェラテじゃないと無理そう。砂糖は必須で」 「ほんと……何でも分かるんだね」 「もっと知りたいですけどね」 そう言いながら朱里さんの近くに座り直す。 「瑛太くん?」 不思議そうに俺の顔を見るから朱里さんの頭の後ろに手をやって引き寄せる。抵抗する隙を与えずにキスをしたから朱里さんは声も出せずに数秒唇が重なる。 「いきなりびっくりするよ……」 唇が離れると朱里さんは俺に文句を言ったけれど、怒っているわけではない。 「キスしたくなったらするってこの間言ったじゃん」 「そうだけど……」 視線を逸らす朱里さんの床につけた手に俺の手を重ねた。何も言わず見つめ合いもう一度キスをした。先程よりも角度を変えて、唇を貪るような激しいキスを。 「んっ……」 片方の手で朱里さんのスカートをめくり、太ももを撫でるとぴくりと体が震える。その反応に俺の体が熱くなる。口の中に舌を入れるとクリームの甘い味がする。 「俺、まだ欲しいものがある」 「何?」 朱里さんは分かっていないのか火照り始めた顔を向ける。 「言葉」 「言葉?」 まだ聞かせてもらえない。俺を喜ばせる魔法の言葉を待っても彼女は一向に言わないから。 「俺のことが好きだって」 「え?」 「まだ言ってくれてない。だから俺はいつまでも不安になる」 受け身だった朱里さんは勢いで迫った俺のことを好きじゃないのかって嫌なことを考えてしまう。
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