憧れたが現実みた

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「はぁ~、ちょっと落ち着きなさいよ・・・・」 「あ、あなたは誰なんですか?」 少女は僕の腕を握ったまま僕の目を見つめた。 「森で君が襲われてたところを助けてあげたのは、わ・た・し!」 「・・・・え?」 今朝ゴブリンに襲われたことを思いだす。 斧が振り下ろされる瞬間、森のどこからか業火魔法を放ち、助けてくれた人がいた。 目の前にいる少女が? 目を丸くしながら考えるが、まとまらない。 「え、えっと、ゴブリンを業火魔法で吹き飛ばした・・・・?」 「そ!」 元気よく返事をした少女は満面の笑みを向けてきた。 「・・・・・・。」 「なに?信じてないの?・・・・わかった、ならこれでどう?」 少女は目を閉じて右手を突き出し、その手には赤い光の粒が集まっていた。 次第に僕に向けられた掌の中心には紅の球体が風を切るような音をたてて膨らんでいく。 「はっ!」 目を見開いた少女は、右手から紅の球体を発射し、僕の顔の真横を通りすぎた。 球体は僕の真後ろの壁に当たり、爆音とともに壁は砕け、割れた壁の断面は炎をあげていた。 「あ、ごめん。」
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