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いつもの様に布団に入り、眠りにつくまで妄想する。鋼鉄の鎧を身に纏い、銀色に輝く剣を腰に下げ、手から魔法を出し、お姫様を魔王の手から助け出す。
そして、お姫様と愛し合い、結婚。
そんな痛々しい夢を男なら妄想するはずだ。
「ん・・・・・」
窓から差し込む日差しで目を覚ました。
歯磨きと朝食を済ませ、鏡の前に立ち、自分の姿を眺めた。
青みがかった黒髪はクセがあり、所々ハネねいる。我ながら悪くない容姿をしてると思うが、決して美形でもない。
空色の瞳を細め視線を落とす。
安物の短剣に安物の防具。余りにも可哀想な姿にため息をつきそうになる。
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