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ゴブリンのことが頭に過り、恐怖で手足が震え出す。
瞬きを忘れ、汗と涙で視界が歪む。
ドアが開ききり、暗闇の中から侵入者が姿を現す、それと同時に床を蹴り、短剣を振り上げた。
「危なっ!・・・・このっ!」
「がっ!!」
振り下ろした斬撃を避けられ、強烈な蹴りが僕の側頭部を捉えた。
「あ、ごめん」
朦朧とする意識の中、最後に見たのは月光に照らされ、銀に輝く髪だった。
「ーーーー」
目が覚め、視界に映ったのは見慣れた我が家の天井だった。
(ん?なんか枕がいつもより高い?)
「!?」
突如視界の上、寝ている僕の頭の方から少女の顔が飛び出してきた。
「ほ、ほぉぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
「あ、起きた!おはよー!」
知らない少女に膝枕されていた僕は、飛び起き、猛スピードで部屋の角まで後退った。
「ごめんねー、脅かすつもりはなかったんだけど。斬りかかってくるもんだから、つい・・・・」
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