消えた1の背番号

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『では、最後にその人に対して一言どうぞ。』 『高橋....待ってるから。俺達は皆で甲子園に行 くんだからな。』 僕は中井の話が終わりテレビを消しベッドに倒れ る。 目からは涙が止まることなく流れた。 なんで...なんで僕はここにいるんだ。なんで野球 を....野球部の皆のやる気を裏切ったんだ...。 僕は後悔の念で頭がいっぱいになった。 自分に対する苛立ちでベッドを力の限り殴った。 自分が憎い....憎くて仕方がなかった。 僕は逃げたんだ。辛いことから逃げて楽な方に... でも皆は違う。辛いことから逃げず今まで練習を してきたんだ。 これは当然の結果だ。自分が選択を間違えたんだ。 どんなに後悔しても自分はもうチームに戻れない。 自分の手元には既に背番号1のユニフォームは無 いのだから...。
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