人うたい

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わたしは、 ―――。 わたしはっ、 私は人ではありません。 どれだけ望んでも、物語には最終話があり どれだけ望んでも、人は死にゆく人生であり どれだけ望んでも、私が人になるとゆうことはありません。 長い月日の中で望みは希望になりさえもしましたが、終には それは酷な望みであることに気付かされ 虚の寝床を作っているだけでした。 私は人でないことを受け入れ 人でないことを望み 死にゆく人生であることを認め 死にゆくことを望み 物語の結末を待つことにし 物語の結末を心待ちにしました。 わたしは人ではありません。 だから人の格好をして歩く私こそわたしの趣味なのです。 趣味は呼吸をし 趣味は生きています
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