最終章

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自業自得。 この言葉ほどぴったりと当てはまる言葉は無いだろう。 今まで僕は勇気ある彼女達の言葉に 「ありがとう」 という曖昧な応えをし続けてきた。 そしたら、僕がやっとの思いで告げた初恋の言葉も 「ありがとう」 という言葉によって締めくくられてしまったなんて。 笑えるよ。本当に。 今になって彼女達の気持ちが分かる。 あの子達はこの感情をどうやって消化したのだろう。 申し訳ないことをしたな。 胸の痛みが消えなくなった。 前のようなズキズキした強い痛みではなくてキリキリとした弱い痛みだったが、この痛みは良くない点がある。 涙が溢れて止まらないのだ。 だけど、気分は悪くはなかった。 くすんだ心の汚れを洗い流してくれる、そんな気がしたから。 その夜、僕は薬を飲まなかった。 薬を飲めばこの涙も痛みも全部消してくれる。 だけど、結果はどうであれ臆病者の僕が初めて勇気を出し、あの子から貰った 言葉を。痛みを。感情を。 消してしまいたくなかったから。 『 薬が切れた今、この痛みとともに君のことを忘れよう。』 時間はまだ、たくさんある。 ゆっくりでいい。 水を1杯だけ飲んでから階段を上って、自室に入った。 窓から照らされる月明かりが僕の枕元を照らしている。 嫌になるくらい綺麗な空だ。 カーテンを少し閉めて布団に入った。 目をつぶると、教室が見えた。 机と椅子と黒板と。 そして自分の席に座る僕。 少し目線をずらして斜め前の席を見ると、一人、女の子の後ろ姿が見えた。 制服を綺麗に着こなし、少しだけ大人びたクラスの中で浮いている"あの子"が 僕の方を振り返り小さく笑った。
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