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「本当にプラネタリウム……みたいだな」
上を見上げたまま、ぽつりと漏らす。
すごく驚いていて、そんな情けない声しか出せなかった。
「……うん…」
二人で見上げる星空。
ゆったり座れるはずのイスは残念な事に、雨風でグチャグチャと崩れ、中身が出てしまっていたけれど…星空に見とれていた俺たちには関係ない。
「…なんかさ…本物のプラネタリウムより綺麗かも…」
相変わらず惚けた声で俺は言う。
「……うん…」
相変わらず惚けた返事をする美春。
幻想的な星々の輝きを、俺たちは時間の許す限りいつまでも眺めていた。
プラネタリウムで目を輝かせていた、幼いあの頃のように……。
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