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「なぁ、神凪は進路…決まったのか?」
満天の星空の下。
気持ちよく寝そべっていた私に、学年が一つ上の先輩……織田が話しかけてきた。
「いちお、教師目指して頑張ってみるつもり」
顔だけ向けて気だるそうに返事してやった。もうヘトヘトで、進路話なんかしたくないっての。
「そっか…。小学生ん時から変わんねぇんだ?夢を曲げないって、それだけでスゴいよな」
そう言いながら、私の隣に寝そべる織田……先輩。
「凄いのは先輩でしょ?あの名門企業に内定もらって…」
昔から兄のような存在だったこの男。
実はもの凄い秀才で格好良くてスポーツマンで生徒会長で……とりあえず、天が色々与えちゃったらしい。
「……受けたくて受けた訳じゃないさ。親とか周囲の期待…そんなんに負けて、夢を捨てた結果なだけ」
先輩の夢…それはよく知っている。昔からずっと、私と同じ夢だったからだ。
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