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片側二車線の道路に 車の気配はない 遠目に見えるのは あの時と変わらないコンビニの光 静まり返った深夜 頭上には変わらず 星が3つ並んでいた 鼻をとおる夜の空気は 冷たい冬の匂いがする 空を見ながらもう一度 胸いっぱいに吸い込んた冬の匂いと一緒に ふわり あなたが香った気がした 甘くて強いわがままな香り 思わず口元に小さな笑みが浮かぶ 同時にチクリと胸の奥が痛んだ まだあなたのかけらが 私の中に残っているのか… また小さく笑みが浮かび 冷たくなった手を コートのポケットにしまった
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