4人が本棚に入れています
本棚に追加
長い坂道の上にある俺が通う稲代学園は偏差値も、学力も中間な学校だ。
しかし、その中で群を抜くものが二つほどある。
一つは全国模試トップ10常連者が二人いること。
「おはよう。湊六。いい朝だな。」
こいつはその1人、麻沼翔太郎。頭脳明晰、イケメンな俺の親友。
「なんでフルネームなんだよ、ショー。」
「いや、なんとなくな、おはよう。ロク。」
俺と翔太郎はあだ名で呼び合うくらいの仲で、1年の時からずっと一緒だ
「新学期って憂鬱だなー。」
「まぁ、そう言うな。今年もおなじクラスならいいな。」
そうダベりながら俺と翔太郎は学園へと歩みを進め、ようやく校門を潜り、校庭についた。
すると突然、不良たちが校門の左右に一列に群れをなし一斉に頭を下げた。
その2列の不良の間を綺麗な金髪、気の強さを表したような美しい猫目。モデルのような綺麗なスタイルをした女生徒が悠々と歩いてくる。
「「おはようございます!京さん!」」
「あー、うるさい!出迎えやめろって言ってるだろ!ほかの生徒にも迷惑だ。」
彼女の名前は九堂 京。
稲代学園の今年で2年。つまり、僕達と同じ学年だ。
不良の界隈では『覇道聖』と呼ばれ恐れられてるらしい。喧嘩は250戦無敗だそうだ。
これがもう一つのこの学園が群を抜いているもの、それがこの九堂京さんだった。
なぜ俺こんなに詳しいかって?それは…
「お、来たぞ。ロク。お前の想いビトが」
「お、おい!ショー!やめろって!」
俺は去年、九堂さんと同じクラスだった。
最初は怖かったのにだんだんと観察していくうちに段々と好きになっていた。
「お、おはよう。九堂さん。」
通り過ぎようとした九堂さんに挨拶をすると九堂さんはこっちを向いて
「お、おはよう。」
と挨拶をしてくれた
顔が赤いようだが具合でも悪いのだろうか?少し心配だ。
「大丈夫?具合悪い?」
「だだだだ大丈夫だ!今年も同じクラスだといいな…」
最期の方はボソボソと何と言ったかわかんなかった。
「それじゃあ、ロク。俺達も見に行くか。」
そのまま俺達はクラスが張り出されている掲示板へと足を向け、歩み始めた。
最初のコメントを投稿しよう!