第1章 不良(よからず)

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クラスが張り出されている掲示板の前には沢山の人だかりができていた。 「ちょっとごめんね…っと。」 人混みの中をかき分けて掲示板に到達する。 俺達のクラスは1から3までの3クラスに振り分けられている。 1クラスから見ていくことにしよ。 50音順に並んでいるため見つけやすいはずだが探しても1クラスにはない。 結局、1クラスは翔太郎も俺もなかった。 ついでに九堂さんの名前を探したが…1クラスになかった。 正直ほっとした。また一緒のクラスがいいなー…なんて、思ってみたりする。 「おい!ロク!こっちだ!」 3クラスの方を見ていた翔太郎が俺の方を向いて手招きをする。 どうやら3クラスが今年のクラスの様だ。 人混みを周りこみながら翔太郎のいるところまで到達する。 「おい。ロク。これを見ろ。」 翔太郎がニヤニヤしながら九堂さんの名前を指さしている。 くっそ、この顔マジで腹立つ!ぶん殴ってやろうか…と思ったがぐっと堪えた。 「湊くん!麻沼くん!」 握りこぶしを作ってわなわなと震えているところを後ろから名前を呼ばれて俺は後ろを振り向いた。 「3クラスなんですか?また一緒ですね!」 振り向いた先には仲間を見つけて嬉しそうな染めたのではない自然な茶髪を下の方で白いリボンで束ねている女の子が立っていた。 「あぁ、委員長。今年もよろしくね!」 この子は『菱沢 灯(ひしさわ あかり)』 去年も俺達とおなじクラスで委員長をしていた。 春休みの間にイメチェンしたようだ。1年の頃は昔の漫画みたいなぐるぐる眼鏡でthe委員長キャラって感じの三つ編みをしていたのに、新学期になってから赤ブチのメガネをかけて見違えるような美少女になっていた。 「今年もよろしく。イメチェンしたんだな委員長。」 翔太郎も気づいたようで委員長と話していた。 「それじゃあ、新しい教室にいこうか。」 今さっきまで2人だった俺達のパーティは委員長を含めて3人になっていた。
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