【6】協力者

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俺のおかしな身体の状態を普通にするには必要なものだからと言われたからだ。 これ以外にも必要なことはあるけれど、残りは話してからだと言われた俺は思い出せる限りのことを話した。 所々質問もされたけれど、それに関してもわかることは全て正直に話し、もう話せることはないだろうということになった後、俺は服を脱がされベッドに横にされる。 組織でもやることはやっていたが、ここでも愛のない行為をさせられるのかと内心嫌になった。 行為中、相手の心の声は全く聞こえず、誰が相手だったのかさえよくわからないままに終わる。 身体が熱く動けなくなった俺はベッドに横になっていた。 「ここは明日まで借りている部屋だから、動けるようになったら自分で出て行って。もう君は大丈夫なはずだよ。情報ありがとう。」 確かにその男から言われた通り自分の身体からは何かの足りなさは感じない。 本当に俺は生きられるんだと、喜びが込み上げてきた。 組織からは開放された今、パートナーを作れたら俺は幸せになれるかもしれない。 動けるようになった俺は手の拘束が緩んでいたこともあり簡単に自由になれる。 どこかのアパートの一室だろう部屋で、服を着た俺は自由な外の世界へと出て行った。
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