【1】遺能者

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それからは毎日が変わらず、気づけば1週間が過ぎていた。 1週間の殆どの授業をまともに聞いていなかった俺だけど、さすが覚醒して変化のあったおかげで宿題もすぐに終わってしまい、休日は雪也の所に当然のように行って遊んだ。 月曜日、いつものように授業が始まり右手にはシャーペンを持ち教科書とノートは開いてあるけれど、頬杖をついて俺はいつものように睡魔に襲われウトウトし始める。 窓際ならば暑くて眠れそうになかったけれど、幸い廊下側で日差しが入ることもなく、この日も俺はお昼まで寝る気でいた。 意識が飛びそうになる直前嫌な予感がして眠気が飛んでしまい、強い力が渦巻いている人物が自分達のいる場所に向かって来ているのを感じる。 身体から溢れる力が時折どこかに放たれたように飛んでいくのが俺にはわかった。 これは・・・遺能者・・・!? でも何かがおかしい・・・。 確かめたいけれど、この状況で飛び出すわけにもいかない。 考えていると能力が爆発するような感じがして、今までそれほど大きな力が放たれた感じがなかったのに、今回は大きな力が一気に四方八方に一気に放たれ、突風があったと思わせるように窓ガラスが一気に割れて内側に飛び散る。 授業どころではなく皆廊下側に寄ってくる。 幸い怪我人はいないようで安心した。
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