【1】遺能者

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突然窓ガラスが割れたことで、クラス内はざわめき落ち着かなくなる。 密集した中で1人のクラスメイトと肩が触れた。 “葛城君。俺の声きこえてるよね?” “まぁな・・・。赤坂、お前遺能者だったのか。” 担任が落ち着くようにと叫んでいる。 遺能者以外は何が起こっているのかわからないだろう。 “葛城君、動いてはだめだよ。【KIGSIS】から所属する遺能者が派遣されてるはずだからね。” “赤坂は詳しいんだな。覚醒早かったのか?” ここまで落ち着いていて詳しいのなら、かなり早く覚醒しているのだろう。 “そのあたりの話はまた後で。次の土曜日あたり時間とれるなら2人で話さない?” “わかった。土曜日な。時間と場所は?” 同年代の遺能者がこんなに近くにいたことに驚きと嬉しさが込み上げた。 もっと話したいと思い誘いを受け入れる。 “俺の家に10時でどう?それともそっちに行こうか?” “いや、俺が行くよ。10時で大丈夫。” 俺たちが会話をしている間に、派遣された能力者がなんとかしたらしい。 しかし、派遣された遺能者に異変を感じた。 “まさか・・・!” “そのまさかだろうな。行くか。” 走り出した赤坂の後を追った。
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