【1】遺能者

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特徴があって、見分け方なんてあったら、すぐバレるじゃないか。 俺はため息をつきたくなった。 小谷の質問はいつ終わるのだろう。 「これだけは言っておこう。OタイプのパートナーとしてIタイプになった者は生涯を共にしなければならないんだよ。一般人である君が遺能者になりたいというのなら、Oタイプの相手を恋愛感情を含めて愛する必要もある。一般的な家庭を持ちたいと望むなら関わらないほうがいい。」 「生涯ですか・・・。恋愛感情も必要なんですね・・・。簡単にいかないんだ。」 何故そこまで遺能者になることに拘るのだろう。 今のままでも、十分に何不自由ない生活をしていると思うんだけど。 小谷にしかわからない悩みでもあるのか? 雪也は雪也で考えこんでいるように見える。 「君たち2人に話があるんだが少しいいかい?」 男はずっとだまっていた俺と赤坂に言ってきた。 俺たちは男に了承して、雪也と小谷を先に帰し、保健室に残った。 2人が行ったことを確認し、男が手招きした。 俺たちは男の近くに行くと、手を俺たちの前に出してきたため、それぞれに自分の手を乗せた。 “君たちOタイプだね?” ““はい”” やはり男は気付いていた。 遺能者同士はある程度なら気配を感じることが出来るため気配は誤魔化せないということだろう。 稀に誰にも察知させない能力を備える者もいるようだ。
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