【10】柚琉と李玖

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高校最後の学園祭が近づいているため、クラスの出し物などを決めていくことになった。 1年のときは勝手がわからず時間に追われていた気がするし、2年に関しては劇でセリフを覚えるだけで精一杯だった気がする。 ちょうど俺が覚醒した頃でもあって詳しく思い出せないのか・・・。 そういえば懐かしいな、覚醒したすぐ後に雪也の気持ち知ったんだよな。 学園祭の詳細を決めるため、クラスで話し合いが行われている時間、机に片肘をついて頬杖をつきながら懐かしさが込み上げた。 “雪也、高校入って一目惚れって言ってたけど、1年の時の最初に話した時?” “え!?俺瑞樹にそんなこと言った?あっ、俺の心読んだのか。はぁ・・・、もういいけどさ。入学式の後、帰ろうとした時に桜の花びらが舞う中に立っている瑞樹見てさ、凄く綺麗な人だなって思ったら好きになってた。” そんなことあったか?覚えてないな・・・。 それにしても高校入ってってほんとにすぐじゃないか。 それより綺麗って俺が!? 諦め半分に照れながら言う雪也の思いが伝わり、俺まで照れてしまう。 “最初に話した時はもう俺のこと好きだったのか。覚醒前の俺に告らなくてよかったな。あの頃は同性は恋愛対象外だったから、覚醒前に告られてたら今こんな関係になってなかったと思うよ。待っててくれてありがとな。”
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