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その時、柚琉と李玖がいる部屋のドアが開いて慌しく2人が出てきた。
「とりあえずわかったけど、柚琉だけの意見にしかならないじゃん?」
「でも、本当にそれでいいのかよ。」
なにやら言い合いをしながら2人が部屋から出てきて俺たちがいるリビングに向かってくる。
いったい何を言いあっているのかと3人で顔を見合わせる。
「あの・・・昨日はありがとうございました。それとご迷惑をかけてしまい、すみませんでした。」
李玖が頭を下げて言う後ろで柚琉が複雑そうな表情をしている。
「李玖君が無事でよかったよ。今ね、君の今後のことを話してたんだけど、自分ではどうしたい?」
「丁度よかったです。そのことでお願いがあるんです。俺をこのまま死んだことに出来ませんか?」
蓮司さんが聞いたことに丁度いいと言った李玖のお願いの内容に俺たちは驚くしかなかった。
まさかその選択をするなんて・・・。
「出来なくはないけど、本当にそれでいいのかい?」
「はい。実際俺のあの状態は失敗です。これであの親が諦めるとは思えませんが、死者が出たということにすれば何かが変わる気がするんです。俺は自分の意思で身体を動かせませんでしたから。それに・・・、柚琉がいなければどっちにしても俺は生きてないですよ。」
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