【1】遺能者

36/38
前へ
/429ページ
次へ
今となっては自分の状態を知るまでは、候補すら作って良いのか悩む。 「俺の候補は雪也だけど、今日の話で俺のパートナーは保留だろうな。自分の状態がよくわからないし。たぶんパートナーは作っても問題なさそうだけど影響がな・・・。」 「まぁ・・・そうなるのか。俺もすぐにどうにかなるわけでもないから。今は瑞樹の能力がどんなものか知ることが先かな。」 今の時点で何かが不自然と思うようなことはない。 他の遺能者がどの程度の能力を持っているのかも、よくわからないため比較しようがない。 他にも学校に男の遺能者がいると、比較しやすいのではないかと思う。 「尚人、学校に他にOタイプ遺能者いるかな。」 「なんとなく、こいつかなって思うのが1人いるけど、噂が気になるんだよ。」 思いあたる人がいるけど、噂が気になるのか。 いったい誰のことだろうと、噂のある人を思い浮かべてみたものの、いすぎて余計にわからなくなる。 「考えてみたけどわかんない。誰?」 「桐生圭。あいつたぶんOタイプ遺能者だと思うよ。けどね、あまり良い噂聞かないんだ。女子を妊娠させて捨てたとか、原因は家庭環境だとか。桐生の家って母子家庭らしくてね。あの男の話を聞いた後だと、被ってしまう部分もあるんだよ。」 「噂が本当で、母親が一般人で、父親が遺能者なら、能力の覚醒が不完全か。」
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加