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「はい。生涯をかけて、総司令官への忠誠を誓わせていただきます。」
聡志さんの言葉を聞いて、繊紀さんは満足げに微笑んだ。
紅也さんが目を覚まして落ち着けば、繊紀さんは紅也さんにも同じことを聞くのだろう。
その時、紅也さんは何て答えるのか、総司令官への忠誠はそのパートナーにも当てはまる。
紅也さんは知らないとはいえ、自分の弟にも忠誠を誓うことになるのだ。
けれど、Oタイプである聡志さんが忠誠を誓うのであれば、そのパートナーである紅也さんも必然的に総司令官への忠誠を誓うことになる。
「紅也は研究者については関わりを持っていたのか?」
「いえ、入れ替わる前は慶志、入れ替わった後は俺が関わっていただけで、紅也は薬を使われ記憶を変えられていただけです。ただ・・・、そのやり方は俺にはわかりません。」
俺が予想していたことと同じ答えが、聡志さんから返ってきた。
聡志さんが研究者のことをどこまで知っているのかは、この後聞いてみないとわからないけれど、少しは研究者のことがわかるのではないかと思う。
記憶を変えることまで出来てしまうのであれば、もしかするとKIGSIS内部に他にも記憶を操作された誰かがいる可能性もある。
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