【2】偶然の奇跡

2/25
前へ
/429ページ
次へ
翌朝、学校の窓ガラスを入れるためと教室の清掃のため、今日と明日の2日間休みになると連絡がきた。 俺は約束通り出かけてくると母さんに伝え尚人の家に行った。 時間より少し早かったけれど尚人の準備は出来ていて、すぐに桐生の家に向かう。 まだ桐生が遺能者とはわかっていないけれど、直接確かめるのもありだと思う。 違うならそれでいいし、同じ遺能者なら話が出来るはずだと思った。 尚人の家から20分くらい歩いた先にアパートが見えてくる。 「あのアパートだよ。父親から援助はあるみたいで、なんとか生活は出来てるらしいよ。母親は働いてるらしい。いるかわからないけど行ってみよう。」 俺たちは桐生の住むアパートの、玄関のチャイムを押した。 すると中から母親らしき人が騒がしく出てきた。 「圭なら寝てて起きないわよ。私仕事だから後頼んでいいかしら。お願いね。」 どうやら俺たちは桐生の友達だと思われたようで、中に入ってもいいらしい。 母親の話からすると桐生はまだ寝ているということだけど、部屋はどこだろう。 2部屋しかないようだから開けてみればわかるかと思い、中に入った俺たちは玄関を閉めて奥のドアから開けてみた。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加