【14】研究チーム

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瑞樹のように上手くは使えないかもしれないけれど、俺も役に立つって思ってもらいたい。 幸い俺のほうに影響は出る前に薬品を浄化できたとは思うけど、定かではないからなんともいえないんだ。 瑞樹が気を失った原因は、後頭部への強い衝撃に加えての薬品のせいだろうか。 “やってみます。” 一言だけ伝えて、俺は障壁と拘束の2種の能力を使い、瑞樹を守りながら、白衣の女を拘束し続ける。 瑞樹を早く検査してもらって異常がないかを確認して安心したい。 “遅くなったか。悪い、雪也。白衣の女は俺が引き受ける。瑞樹は隠密部隊が本部地下へと連れて行ってくれるからそこで検査を受けてくれ。雪也もだぞ?” それほど時間を要することなく、繊紀さんが隠密部隊を連れて来てくれ、白衣の女性を繊紀さんが引き受けてくれたことで俺は2つの能力を解いた。 俺も検査を受けなきゃならないということには苦笑いをするしかないけれど、瑞樹の体内にいる今、俺の表情は誰にも見えないからわからないと思う。 “わかりました。俺も、瑞樹と一緒に検査を受けます。” “それでいい。後は任せろ。殆ど大丈夫だとは思うから俺らでどうにかできるはずだ。” 繊紀さんはそう言うと隠密部隊に指示を出したのか、瑞樹の身体ごと俺は隠密部隊に運ばれていった。
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