219人が本棚に入れています
本棚に追加
/429ページ
「瑞樹さん!?雪也さん!?聞こえてますか?」
響く声が大きすぎて、寝ていてしまったことに気づき、周りを確認するとそこは本部地下の研究施設内にあるベッドが置かれた部屋だった。
あれ?瑞樹はまだ起きてない?どうして?
“洋市さん。雪也です。瑞樹はなんで起きないの?”
“よかった。雪也さん、無事ですね。怪我は酷くはありませんので、もしかしたら内面的なものかもしれないですね。雪也さんには何か伝わりませんか?”
内面的なもの?瑞樹!?どういうこと?
問いかけても、問いかけても、全く反応がない瑞樹に泣きたくなってくる。
俺がここから出て行くわけにはいかないんだ。
きっと出てしまえば戻れないし、そうなったら俺はきっと生きられない。
“わからない。何もないんだ。何度も話しかけてるけど、全然反応がない。”
“そうですか・・・。俺は外側からどうにか働きかけてみます。雪也さんは中から瑞樹さんに何度も声をかけてください。”
まだ希望はあるよね・・・?瑞樹、生きてはいるからいつか起きてくれるよね?
俺はどうにか気持ちを落ち着かせて、自分に大丈夫だと言い聞かせる。
“うん。洋市さんもお願いね。”
“はい。諦めてはだめですよ。”
最初のコメントを投稿しよう!