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何年もセツラさんが目を覚ますことを願い続け、諦めることなくいろいろと試してきた洋市さんだからこそ、言葉に重みも説得力も感じられた。
俺だって諦めないよ・・・、瑞樹が起きてくれるまでずっと呼び続ける。
“瑞樹!起きてよ!俺を置いていかないでよ。瑞樹が起きてくれなきゃ、俺生きられないじゃないか・・・。”
呼んでも呼んでも、起きない瑞樹に挫けそうになるけれど、洋市さんの言葉を思い出しながら、俺はひたすら呼びかけ続ける。
身体は繋がる感覚があるのに心が繋がっていないように思う。
今の俺たちの状態は中途半端な一体化の能力でしかないんだ。
瑞樹の心に届くように、引き寄せるように、深く繋がるように思いながら瑞樹に何度も呼びかける。
“瑞樹!起きて!俺をひとりにしないでよ!!どうして起きてくれないの?なんで・・・?”
瑞樹の体内にいながらも、涙が次から次へと溢れ出てきて、頬を伝っていく。
もう起きてくれないかもしれないなんて思い始めている自分が嫌になる。
信じるって言ったんだ・・・、瑞樹は必ず起きるって、ずっと呼びかけるって。
強く、もっと深く、瑞樹と繋がるイメージで・・・、もっと・・・、もっと・・・。
“瑞樹-----!!”
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