222人が本棚に入れています
本棚に追加
/429ページ
*******
どこかで俺を呼ぶ声が聞こえる。
ああ、雪也か・・・、そうだ、ひとり残してしまったんだ。
でも、俺が戻ってしまうとこれが全身に行き渡ってしまうからどうしようかなやんでいるんだ。
薬品の中になぜか混ぜ込まれたものは、なんのために必要だったのかもわからない。
他のものと混ぜると違う働きをするのかもしれないけれど、俺がこれを抑え続けていることで全身に行き渡らずにすんでいる。
確実に雪也にも影響でるんだよな。
身体に害があるわけでは・・・いや、ある意味害といっていいのかもしれないけれど、雪也をずっと放っておくわけにもいかないし、一度外に出てくれればその間にと思ったのに。
あいつ俺の体内から出ることに抵抗感じてるみたいだし、本当は必要最小限しか外に出ていたくないってことも伝わってくる。
だからなのか、俺を心配しているのか、あいつが俺の体内からでていくわけがないか・・・。
俺からは意思をシャットアウトしているから雪也には届かないけど、雪也の思考はこっちに流れ込んでくるんだ。
だから、呼ぶ声と一緒に雪也が悲しい思いをしているのは十分に伝わってくる。
俺もこのままずっとこうしているわけにもいかないのはわかっているんだ。
最初のコメントを投稿しよう!