226人が本棚に入れています
本棚に追加
繊紀さんが帰っていったことで、話が終わったと思ったらしい洋市さんが、俺たちがいる場所へと来た。
「瑞樹さん、落ち着いたのでしたら検査をしたいのですが。あれ?雪也さんは・・・?」
「雪也はもうちょっと待ってあげて。俺の体内にいるけど、先に俺だけでも検査するよ。」
ソファーから立ち上がって、俺は検査をするために洋市さんについていく。
薬品を体内に入れられ、後頭部を強打されて意識を手放した俺を心配してのことだとはわかっている。
セツラさんは俺が検査の間は、蓮司さんと何か話すらしく飲み物を入れなおして向かい合って座った。
基本検査の間はベッドに横になったままではあるけれど、血液や体液を採られているうちに雪也が俺の体内から出てきて、一緒に検査を受けて終わってからまた俺の体内へと戻る。
“雪也、大丈夫か?”
“うん・・・なんとか。少し寝てていい?何かあったら起こして。”
ゆっくり休んでいていいよとそっと伝えた俺は会話が弾んでいる蓮司さんとセツラさんの元へと戻った。
検査結果が出てから帰ることになっている俺は、まだここにいなくてはならない。
「瑞樹、お前進学するんだっけ?」
「ん?そうだけど?」
最初のコメントを投稿しよう!